仮設マニュアル VOL16
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84(2)金網の最下端は、落下物が外部に飛び出さない位置まで張り、めくれないように確実に止める。(3)金網の中間部分は足場の各層に取り付ける。(4)金網の重ね代は約15cmとし、重なり部分は約30cmごとに千鳥に止める。(5)側端部の金網は建地に約30cm間隔ごとに取り付ける。(6)金網の足場への取り付けおよび金網どうしの結合は、0.9mmφ程度の鉄線を用いる。(c)垂直ネットフレーム(養生わく) 垂直ネットフレームは、落下物防護のために足場の外側面に取り付ける鋼わく付金網である。金網だけによる養生は、足場が全部組立て完了しないと養生ができないが、ネットフレームの場合は、足場の組立てと並行して同時に養生ができるところに特長がある。 構造は次のようなものが望ましい。(1)金網はメッシュ寸法が12mm×30.5mm程度のエキスパンドメタルを用いる。(2)鋼わくは容易に変形しないアングル25×25×3mm程度のもの。(3)金網は溶接などにより鋼わくに確実に固定する。 足場わくへの取り付けは、特殊クランプを用いて足場の外側に取り付けるタイプと、建わくの筋かいピンに挿入して取り付けるタイプの2種類がある。(d)朝  顔 朝顔は、建設工事中における落下物を防ぐため足場から跳ね出して設ける養生設備である。この材料は次のとおりである。(1)張板は、厚さ約1.2mmの万能鋼板かキーストンプレート。(2)支持材は鋼管など。 朝顔を取り付ける場合は、次のことに注意すること。(1 )高さ10m以上では1段以上、高さ20m以上では2段以上設ける。一般には、高さは4~5mの箇所に1段目を設け、2段目以降は下段の朝顔から10mより低い間隔に設けることが望ましいとされている。(2)突出し長さ(水平距離)は2m以上とし、水平面に対する傾きは20°以上とすること。(3 )朝顔の1スパン1.8m当たりの自重は、約100kgあり、建わくに偏心荷重がかかるため、支持材取り付け箇所に壁つなぎを設ける。〔8〕足場の高さ 一般的に、建わく幅1200の標準建わくを組立て、筋かいを両側に取り付け、床付き布わく(鋼製布板)を2層ごとに2枚敷き、しかも足場の外側に垂直ネットフレーム、10m間隔に鋼製朝顔を取り付け、さらに積載荷重を建わく間に500kgを2層載せたときに足場の高さ45mの場合、建わく1脚柱当たりの荷重が1600㎏となる。 したがって、脚1本当たりの許容支持力2.5tに対してまだ余裕があるので、理屈のうえではさらに高くしてもよいはずであるが、この考えでは、風荷重を無視していること(多少の風荷重は安全率でカバーしている)、また経済的な制約などを考慮すると、通常のわく組足場としては45mくらいが高さの限度と考えられる。 もしこれ以上の高さのわく組足場を計画するときは、足場の自重、積載荷重の他に風荷重により生ずる鉛直荷重等を考慮した脚柱1本当たりの作用荷重の検討、通常の場合の足場より壁つなぎ間隔を密にするなどの特別の配慮が必要となる。また、簡易わく組足場は、標準建わくに比較して、建わくの許容支持力がわく組本足場の70%であり、自重が80%であり、積載荷重が50%(作業床の幅が狭いので、資材の仮わく組足場

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