仮設マニュアル VOL16
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83(c)簡易クレーンなどを足場に載せた場合の壁つなぎ クレーンのつり荷重によって足場転倒モーメントが生ずるので、これを防止するために、建わくの最上層ならびに下方に2層ごとに壁つなぎを設けなければならない。どうしても構造上壁つなぎが設けられないときは、それに代わる措置を施す必要がある。(d)壁つなぎ取り付け時の注意(1)壁つなぎには、引張力、圧縮力が作用するので、その両方に耐える構造のものを使用すること。  (仮設工業会の認定品の使用が望ましい)(2 )壁つなぎは、建物にできるだけ直角に取り付けること。もし建物の構造、窓の位置などで直角に取り付けにくいときは、足場に単管などでつなぎをとり、それに取り付けること。(3 )壁つなぎ用アンカーボルトをコンクリートに埋め込むときは、専用のものとすること。なお、後付アンカーの場合、アンカーの施工の良否が引抜強度に影響するため、その施工には十分に注意すること。(4 )壁つなぎのわく組足場への取り付けは、建地材に取り付けるが、できるだけジョイント部分に近いところが望ましい。(5)壁つなぎに単管と緊結金具を組合せて使用するときは、緊結部が滑らないようにすること。(a)養生シート 養生シートは、飛散物による公害を防ぐことでは非常に有効であるが、風荷重による倒壊の原因となること、および防火上好ましいといえないので、使用を差し控えるほうがよい。やむをえず使用する場合は、シートの強さなどについて、次のことに注意して使用のこと。(1 )JIS L1068(織物の引張試験方法)に規定するストリップ法における引張強さと、伸びとの積(kg×mm)の値が4500以上の耐力もの。(2)JIS A1322(建築用薄物材料の難燃性試験方法)に規定する試験において防炎2級に合格したもの。(3)四周、隅角部および取り付け穴などを布、鳩目打ちなどによって補強してあるもの。(4)破れ、織りむら、著しい老化などの欠点のないもの。 なおこの場合、壁つなぎは表に示す間隔で取り付けるが、台風または強風が吹くようなときには事前にシートをはずすか、もしくは足場を補強する必要がある。(b)養生金網 落下物防止用養生金網は、0.9mmφ以上の亜鉛めっき鉄線製で、網目13mm程度のきっ甲金網とし、次のことに注意して使用のこと。(1 )金網の上端の固定は、足場の所定の層(最上部の作業床から最低1段上)の布に約30cmの間隔で確実に緊結する。〔7〕落下物防護足場から工具・資材などが落下するのを防止するために、次のような養生を行う必要がある。(1)養生シート(2)養生金網(3)垂直ネットフレーム(養生わく)(4)朝 顔わく組足場

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