仮設マニュアル VOL14
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仮設工事強度計算構造計算の手順は、次の三つに大別することができる1.荷重計算 仮設物に作用する荷重・外力などを算定する。2.応力計算 外力によって各部材にどのような力(引張り・圧力・曲げ・剪断などの応力)が生ずるかを求める。3.断面計算 部材に生ずる応力に対して安全なように、その断面を決める。 この三つの作業の流れを基本とし、具体的な方法としては構造力学や各種計算規準・法的基準などに基づいて計算がすすめられる。また、簡便をはかるために、各種の計算図表や材料の規格性能表などが用いられる。■荷重と外力 通常の建物の構造計算では、荷重として固定荷重(自重)・積載荷重・積雪荷重・風圧力・地震力などを考え、これらを組合せて、建物にとって最も不利な条件を想定する。仮設物においても考え方はまったく同じであるがただ仮設物は建物に類するものも含めて種類が多種多様であるから、外力として考える対象も千差万別である。たとえば、オーバーブリッジやサポート・ブラケットのように物を受けるような仮設物では荷重が比較的明確に定められるのに対し、柱・壁の型枠におけるコンクリートの側圧や山止め壁における土圧・水圧などは現場の施工条件によって異なるうえ、それ自体不明な点が多いので、適当な安全度を見込んで仮定しなければならない。また、乗入れ構台や荷受け構台のように衝撃効果をもつ荷重が作用する場合、あるいは走行ホイストの支持部材のように制動力による水平力が作用する場合などでは、それぞれ静的荷重の何割かを見込んで、衝撃や制動の効果を適当に評価しなければならない。仮設物に作用するこれらの特殊な外力の考え方については、それぞれ実例の項目を参考にされたい。■応力と許容応力度 構造物の各部材には、外力の作用と架構の状態によって引張力・圧縮力・曲げモーメント・剪断力などの応力が、単独または組合さった形で生ずる。これに対して部材が安全であるかどうかは、部材の断面の大きさや形状によって異なってくるので、そのチェックの基準として単位面積当り(たとえば 1㎠)に生ずる応力、すなわち応力度というものを考える。そこで応力を生じた部材は、その応力度がある値をこえると破壊してしまうわけであるが、一般にそれ以前に部材が大きな変形を起こして危険な状態になるので、安全のチェックのために、終局的な強度よりも小さな許容応力度というものを設定する必要がある。 許容応力度は材質に応じて、短期荷重に対する短期許容応力度と、長期荷重に対する長期許容応力度が応力の種類により定められている。(表1~4)。長期許容応力度は、長期間持続する荷重に対して長期間の使用に支障のないような応力度の値であり、一方、短期許容応力度は、建物の構造設計では地震力・風圧力などについて、終局強度だけは確保するという応力度の値が定められている。 仮設物の強度チェックでは、その使用期間が比較的短時日で、経済性が強く要求されることから、許容応力度として短期許容応力度を採用することが多いが、これは、たとえば鋼材では降状点の値をとっているので、いわば最大限の許容値であり、安全上特に重要なものについては、さらに若干の安全率を見込んだ値を採用することも必要となる。また、仮設物には中古の材料も多用されるから、許容応力度の設定にあたっては、重要度に応じ、実際の施工条件を十分考慮しなければならない。このことは、仮設に使用する既製品の耐力などについてもいえることである。 上記のような観点から、特定の仮設物に使用する場合には、その許容応力度あるいは耐力を通常の短期許容応力度(表1~4に示す値)より小さくとるように法的に定めているものもある(たとえば、型枠支柱・鋼管足場・木製山止め・クレーンなど)。 これらについては、実例の項目を参照されたい。また、応力計算については、他の専門書にゆずることにしたい。目  次ミレニューム枠組足場鋼管・クランプシート・ネット仮囲い・ゲート鉄骨足場ローリングタワー・作業台・脚立支保工・支保梁そ の 他クサビ足場参考資料関係法規索  引238

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